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amicaの色いろ che colore...?  

芦屋のフラワーアトリエamica flowersの日々。

Category: 花のシゴト

生きざま 

2010/03/04 Thu.

 
随分前、たぶん、この仕事を始める前。

「何の花が好き?」と聞かれて私は、

「木に咲く花が好き」と答えていたらしい。



確かに、実家で咲いていた梅を始め、

桜はもちろん、花ミズキ、コブシ、モクレン、アカシア、栴檀、

こないだ書いた椿、広い意味で、藤の花も大好き。


そんな私がこの月曜に、

市場で見事な「しだれ桃」を見て、いや、見上げて、

その素晴らしさに心を奪われました。

大きなその木、無数のつぼみが付いていて、

少しほころんで咲いている花を見ると八重で、絞りのような模様、

そして、同じ木なのに、3種類の花が付いている。

力強い枝ぶりも、花つきも、

まったく素晴らしく、咲いたらさぞや美しいだろうなあ、、、

この花をどこで咲かせたいか、どう生かそうか、


と、何回もそのしだれ桃の前を通っては立ち止り、

妄想を膨らませ、溜息をついては眺め、買うには至らず、、。


そんなことを繰り返していると、

その枝を担当している人が後から声を掛けてきた。

「喉から手が出るほど欲しいやろ」

私は我に返って、いや、全くその通りだと。

そうしたらなんと、原価割れした値段で、その木を売ってくれたのです。

その人が損してまではいいです、と私は言ったのに、

いいから持っていけ、と。

そして大事そうに車に積んでくださった。


これほどのクオリティの花、

どこにどう活けようか。

出来るだけたくさんの、見る目を持った人が、

愛でてくれる、そんな場所。


ここしかない、そんな思いで、

そのお店の大将に相談すると、

いつも花を飾らせてもらってるところではないコーナーを提供してくださった。

そのお店はいつ行っても細やかで丁寧で滋味あふれるお料理に出会えるところ。


とはいえ、あの、四方に伸びた大きな枝が収まるか、

そのコーナーに立ち、イメージを巡らせ、一番美しく見える高さも探る。

家に帰り、しだれ桃と向き合い、もう一度イメージを巡らせる。

あの場所にうまく収まるか、

出来るだけ、どの枝も落としたくない。

どの花も、どのつぼみも、咲いて、みんなに愛でてほしい。



体調を整え、精神を統一し、器類、そして、しだれ桃を運ぶ。

エネルギーを湛えた木を活けるのには、それに負けないエネルギーが必要だから。



コーナーに器を置く。

器に水を湛える。



枝を、しだれ桃を、活ける。



すると、奇跡。

その三角のコーナーに、ぴったりと収まる。

まるで、そこで育ったように。

最も美しい角度が前面に落ち着いた。


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このしだれ桃、

庭師さんの手によって、

何年も手塩にかけて育てられ、美しく仕立てられ、

自信作として市場に出てきた。



それを、市場の担当の人が、

ギラギラとした目で桃を見ていた私に、

多少の損を覚悟でも持たせてくれた。

良い花を活けたい人に、ホンモノを教えるのも彼の仕事なのだ。

今回は損をしてでも、私が良い花を知り良い仕事をしていけば、
見る目のある人からの仕事が増え、
またはその花を見た人の目が肥えていき、
ひいては花業界全体のレベルアップになるからなのだ。



私は、

最もそれが美しく映える、

多くの人に愛でてもらえるところに活ける。



桃が活けられたお店の大将は、

また今日も緩みのない丁寧なお料理を生み出す。

桃の花と相まって、

お客さんは一層季節感と美味しさを楽しむことだろう。



しだれ桃は堂々と、

「この場所で咲きたかった」とでも言うように、

これ以上ないくらいの妖艶さで、

この世の春を満喫すればいい。




しだれ桃を活け終わった時、

なぜか浮かんだ「おれの生きざま」という、言葉。


仕立てた庭師さん、

それを買い付けた市場の担当さん、

それを飾る場所を提供してくれた和食屋さんの大将、

そしてこの、しだれ桃自身、

(そして私も?)


そんな生きざまが、ギュっと混ざり合い、

一つの花の命がここで燃える。

それを見てしみじみ、充実感を噛みしめる。


それぞれの生きざまに、感謝。




活け込みの仕事が、

また更に楽しくなった。




追記:この「しだれ桃」、見ごろは今週いっぱいです。
   美味しい和食と堪能したい方はご一報くださればお店情報をこっそりお教えします。



「生きざま」以外に言葉が見つからなかった・・・・・amica公式サイト

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コメント

自分の仕事は「人の気持ちを背負っている」
自分の仕事に誇りを持てる人は皆同じ思いですね。

そしてお互いに今日も一日頑張りましょう!!

筧 清澄 #yMCSVXn. | URL | 2010/03/04 08:27 - edit

こんなにも 色のちがう花を付けた桃の木

初めて見たかも・・・

売上よりも 愛してくれる人に引き取られてほしい
それほどの思い・・・生きざま見えました

ちいち #BRhx2hKI | URL | 2010/03/04 09:47 - edit

このお店、すっごく色っぽいですね。お花の感じかな、大将の感じ?写真の雰囲気ですか?

まるこ #LUkN6nkM | URL | 2010/03/04 21:11 - edit

>筧さん!

コメントありがとうございます。
誇りを持って仕事に向き合える幸せ、
これはどんな業種も同じですね。

何もないところにモノを作り出す筧さん、
まさしく人の気持ちを背負って、形にするお仕事ですね。

私は長年大切に育てられた「花の気持ち」も背負って、
また活け込みに行ってきます。

明日もまた良い日でありますように!

amica #6ZS2/17k | URL | 2010/03/04 22:17 - edit

>ちいち☆

本当に、溜息出るほどの美しさ、妖艶さ、
このしだれ桃の枝の、花の命の最後、
しっかりと見届けてあげたいと思いました。

そして、この桃の花のように、
様々に謳歌して咲きたいですね。

amica #6ZS2/17k | URL | 2010/03/04 22:21 - edit

>まるこさん

色っぽいですよねーーー!

お花ももちろん、大将も。
競うような艶やかさ。
写真は一眼レフが私の稚拙な技術をカバーしてくれました。。。

是非ここで、お花見デートしてくださいね☆

amica #6ZS2/17k | URL | 2010/03/04 22:25 - edit

力が湧いてきました。

ごぶさたしております。
amicaさん、のブログを読んでなんだか力が湧いてきました。
今夜の活け込み、頑張れそうです☆

Floral-ai #SFo5/nok | URL | 2010/03/05 14:13 - edit

>Floral-aiさん☆

ご無沙汰しております!
私はこんな感じで相変わらずのペースです。

活け込み、いかがでしたか?

私はこの桃以来、
一枝ずつ、より味わいながら活け込みを楽しめるようになりました。

これからも、
ときには特上の素材で勉強したい、、、!
花の仕事は年々見えるものが増えてくるような気がします。
次は桜、ですね!

amica #6ZS2/17k | URL | 2010/03/06 00:19 - edit

涙が出ました

お花を生けるって、奥が深い、
読んで、写真見て、涙が出ました。
いつもブログを読み逃げしてますが
今日は黙っていられなくて、コメントしました。
小山さん、これからも色々なお花たちを、似合う場所で、
思いっきり咲かせてあげてください。
これからもずっと応援しています。

eri #7C/zVFSk | URL | 2010/03/07 20:47 - edit

>eriさん

返信が遅くなり失礼しました。

コメントありがとうございます。
嬉しく読ませていただきました。

歌のうまい人も、
それを聞く人、歌うステージがなければ、表現出来ませんから、
花も、咲ける場所があることが、幸せなんですよね。
人も花も、同じだなと、よく感じます。

これからもよろしくお願いします。

amica #6ZS2/17k | URL | 2010/03/13 23:39 - edit

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